土星が個人の4ハウスを通過する期間は、しっかりと内側に意識を向けていきたいとき。土星の周期のなかでも、とても重要な時期となるでしょう。
意識を向ける先は家と家族、そして自分自身の心の内側です。この期間はそれらに関する事柄がたびたび浮き彫りになるかもしれません。家や家族、あるいは自分自身に対して「どうにかしないと…」と思っていながらも、後回しにしてきたことがあるなら、今が向き合うとき。しっかりと土台を築く時期となるでしょう。
物理的な面と、心理的な面とのテーマが出てきます。物理的な面においては、住環境としての家そのものに関して、このままこの家に住むのか、住み替えるか、古くなった箇所や家具を買い替えるかといったことから、毎月の生活費をどれくらいにするのかといったことまで、現実的なところでの調整と土台作りが挙げられます。
また家庭内での家族との関係性や自分自身の内側に持っていることにおいて、後回しにしてきた問題があれば、そこをクローズアップして、考える必要もあるでしょう。ときに家族や個人の責任が自分ひとりにのしかかってきて、重圧を感じることもあるかもしれません。特にこれまで放っておいてきたこと、向き合わずにきたことに関しては、しっかりと取り組まざるを得なくなるでしょう。
しかしここは子ども時代の経験や家族との関係に起因している、個人の心理的な問題やパターンと向き合うのに最良とタイミングです。セラピーやカウンセリングなどを通して、これまで見逃してきたことや受け入れられずにいたことと、深く取り組むことができるでしょう。
場合によっては「親になること」を経験したり、親代わりになる人を求めたりすることもあります。その関係において、成長がうながされることになるでしょう。もしこの時期に自分を導いてくれる相手を必要としていながらも、そういった人物が出現しなかったら、自立へと導かれるかもしれません。
この時期に向き合うテーマは、時に憂鬱で重く感じられることもあるでしょう。しかし、4ハウスの象徴する「家・家族・個人の心」は、人生の基盤であり、自分を支えるもの。そして自分自身の心の中心でもあります。物理的な家が安定していることはもちろんですが、心理的な家……心の中に安心のスペースを持ち、そこにしっかりと根付いていることで、深い寛ぎがやってきて「自分は大丈夫」という確信を持つことができます。
自分の中がぐらついていると、何をしても不安が生じたり、自分自身を感じることが難しくなったりしますから、ここで可能な限り「家」に関する事柄をクリアにして、整えておきましょう。
ここに何か未解決のものを残して、土台が不安定なまま過ごしてしまうと、これから土星が進行していく過程において、たびたびそのことが自分自身の足を引っ張る要因となり得ます。14年後に土星が天頂に達するとき、社会的な成功や充実を手にすることになりますが、そのために必要なステップが、この4ハウスの基盤を整えることにあるのです。
4ハウスは人生の根底にある基盤であり、地球に生きる私たちが「安全で安心できる」と感じる根拠となる場所。ここをしっかりと整えて、いつも心の中心に根付いていることで、私たちは力強く成長しながら人生を切り拓いていくことができるでしょう。