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公開日:2022年06月08日更新日:2022年06月08日

夜空に赤く輝く火星は、ローマ神話の軍神マーズ、ギリシャ神話の戦争の神アレスを象徴する、禍々しい存在です。

占星術の世界においては、古くから土星と並ぶ二大凶星のひとつといわれ、トラブル、災い、戦い、狂乱は火星のものとされてきました。

実のところ、火星は私たちの中で最も強く知覚されるエネルギーです。何かが本能に触れたとき……敵や獲物を見つけたとき、あるいは危険を感じたとき、その瞬間に反応する、強力なエネルギーといえるでしょう。

それはハートに勇気を与えて、いまその瞬間に欲しているものを得るために、あるいは真実を正直に表現するために働きます。

まわりがどう思おうと、どんな風に見られようと「私はこうしたいのだ」と、強く激しく主張させるのが火星です。周囲に大きなインパクトを与えながら、自信たっぷりに意志を貫き、他のものから自立して、人生に対して得られるはずのものの公正な分配を堂々と要求します。

いま、この瞬間の真実を表現するために、変化を拒む周囲の環境と、自分自身の恐れと自制心を超えることをうながすでしょう。

この火星の要求を隠すと、フラストレーションが募って、苛立ちがさまざまな問題……他者を批判や攻撃したり、事故やトラブルを招いたり、自身を否定してやる気がなくなったり、現実から逃避したり、鬱や病気になったりといった形で表れます。

怒りや攻撃性というのは、あまり気持ち良くないものですが、自分や大切なものを守るために必要なもの。それを嫌って抑圧すると、代わりに周囲の環境でいつも怒っている人がいたり、いきなり理不尽な目に遭ったり、意地悪されたり、トラブルに巻き込まれたりすることがあるでしょう。

火星を物に喩えるなら、刃物や銃器、機器や自動車などを象徴しますが、それらの扱いには技術と経験が必要です。扱い方を知らないままでいると、それらに振り回されて、怪我したり、事故したりということにつながりますが、適切に扱うことで、より大きな力で人生をダイナミックに発展させることができるのです。

そのためにはやはり「自分の真実で生きる」ということが欠かせません。私たちの中で、何かがイライラ、モヤモヤするときは、自分の正直さから離れている証拠で、そのことを心と身体が訴えているのです。

疲れてきたり、寝不足だったり、お腹が空いたりしているときに、イライラしてくるのは、とてもわかりやすいですよね。休みたい、眠りたい、何か食べたいと身体が訴えています。

得られるべき分配が得られないときも火星は働くでしょう。労働に対する対価や見返り、愛情、感謝や成果がすくないときですね。

いまの不満は何でしょう?

内側で何かが起きているとき、どんな感じがして、何を言いたがり、求めているのか……そこに気づくことが、はじめの一歩といえるかもしれません。

ホロスコープの火星が位置している星座は、どのように火星のエネルギーを表現するのか、その性質が示されます。自己主張やアプローチの方法、怒るときなどですね。

また火星が位置しているハウスは、最も活動的になれる分野であると同時に、最も他者とぶつかりやすい領域を示してもいます。

いずれにしても火星は個人に与えられた武器。それに振り回されて災いを呼び込むのか、上手に使いこなして人生を切り拓いていくのかは、自分次第だといえるでしょう。

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