占星術のホロスコープ・チャートは「12星座」「10惑星」「アスペクト」「12ハウス」という四つの要素で構成されています。
「12星座」を1星座ずつ、詳しく掘り下げていくシリーズ、今回ご紹介するのは「双子座」
エレメント:風
クオリティ:柔軟
守護惑星:水星
キーワード:I think
双子座のテーマは「知的好奇心を活かして、毎日の生活を彩り、盛り上げること」!!
エネルギーの塊をあちこちに向けていく牡羊座に、肉体という器が生じて、その体感覚を牡牛座で鍛えると、三番目の双子座では「知性の発達」がはじまります。身体感覚を活かしながら、日常生活をより多彩で豊かにすることがその目的です。
毎日の暮らしをより快適で、楽しくするために、あちこちから情報を拾い集めてきては、新しいやり方を習得するでしょう。わたしたちは身のまわりで起こっているさまざまな事柄について、詳しく知っていれば知っているほど、その生活は多彩で豊かになります。美味しいカフェをどれくらい知っているのか、お得なスーパーや、バーゲンがはじまる日を知っているのか、簡単に美味しく食べられるレシピを知っているのか……学校であれば同級生や先生が何をやっていて、どんなことが流行っているのか、会社であれば、上司が何をしようとしていて、業界ではどんな動きがあるのか。いろいろなことを知っているほど、より有利な手を打つことができるようにもなります。
そのため、ジッと留まっているよりも、ちょこまかと動きまわって見聞を広げて、いち早く情報をキャッチしようとするでしょう。他者の体験や噂話も情報のひとつ。より多くのものを得るために、ひとつのことに集中するよりも、いつも自由で軽やかな身上でいることを好むかもしれません。得た情報をじっくりと精査するよりも、おおまかにザッとすばやく知ることが得意。情報は鮮度が命です。物事のしくみや概念について、パッと「こういうこと」と理解できるでしょう。
いつも身のまわりで起こっていること、誰かの身の上で起こっていることに関心が向いて、その対象は次々とめまぐるしく移り変わります。子どものような好奇心と素早さが双子座の持ち味。そこで起きていることを誰よりも早く知り、広めることに価値をおくでしょう。
そのため、扱う情報のひとつひとつはあっさりしているものの、代わりに膨大で幅広くなります。明晰なコンピュータが常に回転しているかのように、頭脳をめぐらせて、いっぺんにさまざまな情報を処理するでしょう。集中力に欠ける分、同時にふたつ以上の物事を処理したり、進行させたりすることが得意かもしれません。
アイデアを活用することよりも、アイデアを見つけ出す方に適性があり、多角的な視点から物事を見ることができるでしょう。いろいろな人物やプロジェクトに自分が関わることによって、進行を加速させます。どんな物事でも、その概念や本質を理解して、それを正確な言葉で表現することに喜びを感じるでしょう。言語能力の高さが際立ちます。
牡牛座が心地よいものだけをどんどん求めていくのに対して、双子座はむしろ異質に感じるものや、人が馴染みにくいものにも興味を示します。怖い物見たさ、知りたさが知的好奇心を旺盛にするのでしょう。
馴染みあるものとないものを同時に扱ったり、ひとつの物事に対して肯定と否定とを同時に感じたりするような、相反する思いが内側で生じて、矛盾を抱えるというのも双子座の特色です。双子座の双子はカストルとポルックスという人間と神という異なる種族であり、一日交代で人間界と神界でそれぞれ過ごします。そのようなふたつの異なる感覚や価値観が同時にあり、イエスもノーもどちらも有り、ということがあるのでしょう。
誰に対しても社交的で、オープンな人柄。いつもテンション高く、誰とでも軽やかに楽しくつきあいます。その分、深く重い雰囲気がちょっと苦手で、シリアスな状況に抵抗を感じる人も多いでしょう。探求心を満たすために、いつも自由で、あちこち動きまわることを好みます。その足を引っ張るような責任感や、故郷や帰属からの干渉的な愛を重苦しく感じて、距離を取りたがるかもしれません。
風の柔軟さを象徴する双子座は、障害に対しては迂回して、制限やその影響から逃げようとします。しかし、本当に強い圧力を前にすると、あっさりと白旗をあげて、相手に合わせて即座に自分を変えることができるでしょう。
いつも同じ状態を保つことや、くり返し同じ作業をすることは、双子座にとって難しいもの。一か所に閉じ込められることも好みません。展開が次々と変わっていくような状況や、頭を使ったゲームや駆け引きを楽しみ、ライバルを出し抜くために知恵を絞るときにわくわくするでしょう。ビジネスや投資は双子座にとってはゲーム感覚で楽しめる得意な世界。感情移入せず、クールに数字や結果だけを探求して、取引することができます。
しかし、そのような双子座の態度は、意図せぬままに、感受性の強い相手を傷つけることもあるでしょう。気づかない内に敵を作らないように、気を引き締めないといけないときもありそうです。
あらゆるものをすばやく知覚して、理解し、それを言葉にのせて広く知らしめていくのが双子座の役割。その目に映るあらゆることを知って理解したいという欲求が双子座の原動力となっているでしょう。
双子座は12星座の3番目の星座であり、知的好奇心を活発にして「日常生活をより多彩で豊かにすること」を目指していくサインです。
そのため、次のような成長段階を経て、成熟していきます。
最終的に双子座は世の中で起こっていること、これから起こりそうなことをいち早く察して、言語化し、それを広めてまわったり、名づけたりすることができるようになります。それはより多くの人たちの注目を集めて、好奇心を喚起させ、感情を煽動することにもなるでしょう。
双子座が秘めている才能には、次のようなものがあります。
これらの能力を使いこなすことで、みずからを成長させられるでしょう。
双子座がポジティブ/ネガティブとなる事由には、次のようなものがあります。
頭の回転が速く、フットワークも軽い双子座にとって、多くの情報を同時に扱いながら、次々と処理していくような環境が適しているでしょう。ポイントは「動きがあること」「次々と速いスピードで展開していくこと」「変わっていくこと」など。
事務処理能力は高いものの、単調な作業のくり返しは飽きてしまうので、いつも異なる新しい刺激が入ってくると良いでしょう。扱う案件が変わるのであれば、やりがいを感じるかもしれません。
情報を集めること、それをかみ砕いてわかりやすく再構築すること、更にそれを伝え広めることに適性があるため、マスコミにおけるライターやレポーター、通訳、司会者などに向いているでしょう。言語能力が非常に高く、正確に事実を伝えることができるため、翻訳能力を活かした分野にも向いています。それは外国語の翻訳のみならず、コンピュータ言語や色の言語、音の言語、暗号など……あらゆる物事を知覚化して、日常的な言葉に置き換える才能です。
まだ世の中に出回っていない新しい情報ややり方をサッと理解して、まわりに伝えることもできるでしょう。謎を解いていく力もありますが、深く掘り下げるよりも、パッと知ったことを素早く知らしめるほうが合っています。
まわりがどう動くかを見極めて、先手を打ち、有利に事を進めていくことができるため、優れたビジネスセンスがあります。ゲームのような駆け引きを面白がって勝ちにいこうとするので、相場の取引などに強いタイプもいるかもしれません。
何よりも大切なことは、その環境であり、そのような双子座の特性を理解してくれる上司の下で働くか、あるいは何にも縛られないフリーな立場で働いたほうが、才能を活かせるでしょう。強制力が働き、自由が奪われて、他者から責任を背負わされると、力を失ってしまいます。
ふたつ以上の事柄を扱う才能があるので、ダブルワーク、トリプルワークで稼ぐことができます。アイデア次第では収入源をいくつも増やすことができるし、先見の明があるため、有利を打てば、人より多く収入を得ることができるでしょう。しかし入ってくると、貯めるよりも使ってしまうことの方が多いかもしれません。
双子座が求めている愛し方/愛され方は次のようなものとなります。
執筆 占星術師・小泉マーリ