占星術のホロスコープ・チャートは「12星座」「10惑星」「アスペクト」「12ハウス」という四つの要素で構成されています。
「12星座」を1星座ずつ、詳しく掘り下げていくシリーズ、今回ご紹介するのは「蟹座」
エレメント:水
クオリティ:活動
守護惑星:月
キーワード:アイフィール
蟹座のテーマは「愛と安心を社会にもたらすこと」
蟹座はハートから感情とつながり、さらにその奥深いところにある源とつながることを象徴する星座。生きている個人のルーツのみならず、あらゆる動物や植物、そして星のルーツに立ち還って、力強いエネルギーを得ることをしていきます。
わたしたちは通常、眠っているときに、そことつながります。寝ているとき、わたしたちは個人の小さな自我を手放して、より大きな集合体にアクセスするでしょう。その源とひとつになるということを通して、わたしたちは日々、精神の安定を得ることができるのです。
そのため、蟹座にとって安心して眠れる家、隠れ家、避難できる場所……というのは、とても大事なキーワードとなります。安心して休むためには、自分の居場所があり、そこで守られていることが必要となるでしょう。特に幼少期のあいだは、家族から安心の居場所を与えられ、やさしく守られ、大切に扱われていることを感じる必要があります。たくさんの愛情を受けて、大事に育てられることで、自身の愛と信頼と共感を育んでいくでしょう。
愛されて大事にされた経験が、長じるにつれて、今度はその愛情と思いやりと温かさを模倣して、他の人にやさしく親切にさせる行為へとつながります。愛に満ちた蟹座は、他者に惜しみなく与えて、安心の場を作り、それを守る存在となり得ます。
しかし、望んでいたような愛と温かみを得られなかったときは、自身の繊細さを守るために心を閉じて、他者を信頼してつながることを諦めるか、逆に愛してくれる人に執着をして、独占しようとするかもしれません。内側で愛情のバランスが崩れていると、孤独にも過保護にもなり得るのです。
蟹座を支配する月が、感受性の強さを強調するため、雰囲気などから敏感に言葉になっていないものを察するでしょう。知性が理解するよりも深い本能的な部分で、さまざまな揺れ動きを察するため、時にどうしてこんなに自分が揺れるのかわからずに、情緒が安定しないこともあるかもしれません。
蟹座は源とのつながりを強化する星座であり、幼少期の家族、生まれ育った故郷、自身を育んでくれた仲間たちとのあいだに、特別な感情を創り出すでしょう。それはときに、生まれてくる前の出自にも遡るため「自分のいた場所に還りたい」という不思議な思いを抱かせることもあるかもしれません。もともといた場所や過去に回帰することで、源から力を得て、深い精神的な安定を得る星座です。
蟹座は共感性を大切にする星座なので、あまりにも個性的すぎる人や、他者と共存できないような突出しすぎたものに違和感を覚えるでしょう。平和を乱すような異質なものを排除して、誰もが安心して馴染めるような、温かみのあるものを創り出すのが蟹座です。
親しみやすさや、ホッとできるような安心こそが蟹座の最大の魅力で、そこに共感する多くの人たちを惹きつけます。
そのことから、蟹座は一般大衆に迎えられやすい、人気の星座であるともいえるでしょう。この誰もが共感できる安心感は、みんなが簡単に真似することのできるパターンを創り出して、流行やブームの発生源となる可能性もあります。特別なテクニックを要するものや、特別に準備された物が必要であれば、それは流行しませんが、誰もが毎日の暮らしのなかで求めていて、簡単に扱えて、家庭内で再現できるものは、人々に安心感と親しみやすさを与え、そこから大量のコピーを生み出します。
蟹座はみずからが源を求めるのみならず、多くの人たちが共通して求めているものの、源となる可能性があるのです。
愛情を抱いたものや、愛着を持ったものを所有して、やさしくお世話することは、精神的な安定につながるでしょう。愛した人を、思いやりをもってやさしく育んでいく蟹座の性質は、社会のなかで必要不可欠です。
傷ついた個人を保護して、元気づけることで、誰もが安心して暮らすことのできる共同体の結束を強化します。この保護と癒しと安心が欠けたスペースにおいては、崩壊が起こって「もう、この場所にいられない」といった人が出現してしまうでしょう。
蟹座が象徴するルーツと共同体、そしてすべての源は、人間が持っている基礎的な欲求のなかでも、最初に求める安全保証の欲求と結びついていて、それは個人が健全に成長していくための基盤です。安心して暮らせる場所で、まわりの人たちから大切に扱われることで、わたしたちの愛と信頼は育まれていき、やがてそれが社会で他者を結びつける力となって、次世代を育てていくことになるのでしょう。
誰もが求めている愛と安らぎを、平凡で、だからこそ親しみやすい温かい形で社会にもたらすことが、蟹座の大きな役割です。
蟹座は12星座の4番目の星座であり、感受性を開花させたうえで「仲間と一緒に安心の居場所で、新しい文化的な営みを創り出すこと」を目指していくサインです。
そのため、次のような成長段階を経て、成熟していきます。
最終的に蟹座は仲間とと共に、自分たちの住まう土地に過去の歴史を踏まえながら、新しい文化を創り出します。そして郷土の愛や心地よさを土地の人たちに広めていき、多くの人たちから愛される場所を育んでいくでしょう。
蟹座が秘めている才能には、次のようなものがあります。
これらの能力を使いこなすことで、みずからを成長させられるでしょう。
蟹座がポジティブ/ネガティブとなる事由には、次のようなものがあります。
共感性の高い蟹座は、誰もが馴染みやすく、親しみをもって迎え入れることのできるものを扱うセンスが抜群。衣食住やサービス業においては、相手のニーズや好みを察して、それに即したものを与えることができるでしょう。
時代を読み解く能力も高いので、いま流行っているもの、人々が求めているものを見つけ出すことも得意。なんとなくみんなが「いいな」と感じるものがわかったり、キャッチーなものを提供したりできるのです。
蟹座を守護する月は、わたしたちの日々の生活のリズムを司るため、毎日の暮らしに寄り添った商品やサービスを創り出すことができるでしょう。「あったらいいな」という、自分自身の日常の感覚に寄り添っていくと、それはみんなの求めているものでもあるかもしれません。
人々に安心をもたらし、安全な場所を提供することも蟹座の得意な仕事です。そこでみんなにやさしくお世話をして、心地よくいられるように育んでいくことができるのです。
そういった関わりや日常的なサービスが得意な蟹座ですが、適応能力が高いので、実際にはどんな職場にも順応することができるでしょう。しかし、重要なことは「誰と働くか」ということ。やりがいのある仕事であっても、働く人との相性が悪いと、蟹座は落ち込んでしまいます。
蟹座にとって理想的な職場とは、ひとつの目的に向かって、みんなで協力して、支え合うようなもの。お互いに愛と思いやりに満ちていて、気心の知れたメンバーで、思ったことを話し合い、改善していけることが大切です。
どちらかというと受け身になりやすいのですが、リーダーシップをとることで、面倒見がよく、みんなが心地よく働けるように場をつくることが可能です。お節介なところがありますが、その分、ひとりひとりが安心できる関係と場を築いていくでしょう。
みんなが求めているものやサービスを創り出すことで、大きな収入を得る可能性も!? 工夫して商品化、サービス化ができると、みんなに親しみをもって迎えられて、流行していくかもしれません。
蟹座が求めている愛し方/愛され方は次のようなものとなります。
執筆 占星術師・小泉マーリ