占星術のホロスコープ・チャートは「12星座」「10惑星」「アスペクト」「12ハウス」という四つの要素で構成されています。
「12星座」を1星座ずつ、詳しく掘り下げていくシリーズ、今回ご紹介するのは「射手座」
エレメント:火
クオリティ:柔軟
守護惑星:木星
キーワード:I believe
射手座のテーマは「みんなで豊かになるために社会に貢献すること」
12星座の終盤の4つの星座は個人の働きが社会の中に統合されていく過程を示しています。射手座は社会のしくみ全体を俯瞰するように理解して、その上で自由に意志を表現しながら、みんなで豊かになることをめざしていくサイン。火のエレメントとしての自発性と正直さを合わせ持ちながら、社会の発展に関わっていく星座です。
同じ火のエレメントの牡羊座・獅子座と違って、中盤の天秤座・蠍座の過程で獲得した他者との深い結びつきを維持したまま、高みをめざしていくのが射手座の特徴です。自分ひとりで達成するのではなく、みんなで可能性をひらいていき、みんなでしあわせになろう、豊かになろうと願うでしょう。そのために個人的なものを超えた、高い理想を持ちます。
社会全体の発展に貢献しますが、そこにはさまざまな理想が含まれるでしょう。道徳観念を司る木星を支配星とするだけに、ただ豊かになるのではなく、ある理想的な観念と共にそれを達成したいのです。『世界の平和』や『みんなでより豊かに成長すること』などをポリシーとして掲げることが多いかもしれません。その思いを広めたり、共有できる仲間と一緒に学びを深めたり、社会に対して働きかけたりするかもしれません。ときには団体のなかで意志を代弁するスポークスマンのような立ち位置につくこともありそうです。
社会のなかで人々が共に協力しあい、みんなで結束することや、個々が成長することの大切さを語ったり、その発展に関与するための知性を探求したりしていくでしょう。哲学、思想、教育、法律、文化、国際情勢といった、人々が社会生活を有意義に送るための知性に興味を持って、複数の分野を股にかけて学んでいく人もいそうです。何かを学ぶときは根源を知りたいと思うため、本物を知りたい、源流を体験してみたいという思いから実際に行動を起こしていくことになるでしょう。あるいは宇宙そのものの根源を知りたいと興味を抱いて、教養の範囲を専門外のところまで広げていくこともありそうです。ひとつひとつの分野が違っても、行き着くところはひとつ。そんな大局を見つけることを好む星座でもあります。
自分に合った社会的役割を見つけ出すまでは、固定観念やある種の常識といった制限に縛られずに、新しい経験や価値観を求めて、さまざまなことをしてみようと思うかもしれません。しかしひとたび、能力を発揮できるポジションを見つけると、その集団が扱っている分野の全体の構造を学んで、その発展に貢献しようとするでしょう。いま何を必要とされているのか、ここから全体がどこを目指していこうとしているのかをつかむと、知性と行動力を大胆に、そして存分に発揮しながら、活躍することになります。
射手座の視野は広いので、小さくまとまるようなポジションよりも、全体を大きくみて、発展させるような立ち位置が性に合っています。プレイヤーであると同時に、監督やコーチ、教師としての視点も持ち合わせており、みんなを成長させよう、全体を大きく育てようとする力があります。
射手座のケンタウロスは半身半馬の姿をしていますが、これは知性と行動力を同時に使うことができるという象徴です。鋭い眼光が矢を向けている方向に一点集中しながら突き進んでいきながら、器用に複数の事柄をこなしていくこともできるでしょう。逆にいうと、ひとつのことだけに制限されると苦しくなってしまうかもしれません。
射手座は集団に制約されることのない自由を愛する星座ですが、それはより広い視野で全体を観ているからこそ得られるもの。構造の仕組みそのものを理解することで、構造の一部分として巻き込まれることがなくなり、それゆえ、集団に属していながらも、そこには縛られずに自由な自発性を発揮することができるのです。
どんな状況であっても、全体で起きていることをたちまち理解して、いま何をすることがこの場ではベターなのか、すばやく判断し、順応していきます。これは先見の明ともいえる才能であり、なんとなく「こうなるのではないか」という先行きを直観的に知ることのできるものでもあるでしょう。その前向きさと寛容な態度が、まわりの人たちを安心させて、励ますことにもなりそうです。
フットワークが軽く、移動や旅行を好みますが、遠くへ出かけることは視野を広げて、物事を違った角度から観ることをうながしてくれます。見識を広げて、日常の制約から解放されることは射手座にとって、とても重要な要素。とらわれない自由な精神をこよなく愛し、自身がそのようにのびのびとするように、みんなもそうあるべきだと考えるところがあるでしょう。
ダイナミックに行動することで、ますます視野を広げていき、直観的に知り得た知性を武器に、社会のなかを縦横無尽にかけめぐる。自由でおおらかに理想を掲げることで貢献を果たしていくサインです。
射手座は12星座の9番目の星座であり、みんなで強力しながら高い理想の世界の実現をめざしていくサインです。
そのため、次のような成長段階を経て、成熟していきます。
最終的に射手座は、精神的な成熟と共に日常のなかで高い理想を実現しようと奮起します。また自身の知り得た知識を大勢の人たちに伝えることで、みんなでより良い世界を築くことをめざそうとするでしょう。
射手座が秘めている才能には、次のようなものがあります。
これらの能力を使いこなすことで、みずからを成長させられるでしょう。
射手座がポジティブ/ネガティブとなる事由には、次のようなものがあります。
射手座の仕事といえば、小さくまとまるよりも、社会が大きくダイナミックに発展することに寄与する仕事が合っているでしょう。自身の役割が一部であったとしても、それが何のために役立っているのか、どういう方向へ向かって発展していこうとしているのか、全体を理解していることが大切です。それが自分の理想の一部を担っているのであれば、役割に対して最善を尽くすことができるでしょう。
どちらかというと、細やかな仕事よりも、全体を監督して、方向付けるような役割があっています。しかしチームとして、より大きなシステムの一部なっているのであれば、仲間を信頼してまかせて、みんなでベストをめざしていくこともできるでしょう。
社会に対する理想が高いため、意義のある仕事につくことが大切です。広い視野を持ち、将来性の感じられる仕事にやりがいを感じるし、狭いローカルで完結することよりも、自身や社会がますます発展していくことに充実を覚えるでしょう。意識や価値観を広げていきたい思いがあるので、グローバルな世界観をもって、新たな仕事の価値を創造することもできそうです。
自分からさまざまなことを発言したり、表現したりすることにも適性があり、相手が誰であっても、堂々と自分を見せることができるでしょう。反面、言動を制限されてしまうと、思うように活動できないので、ある程度の自由な権限を与えられている環境で、より才能を発揮することができそうです。
学問と関係する星座ですから、ある特定の分野の専門性を高めて身につけていながらも、その分野だけにとらわれない視野の広さを活かして、ジェネラリストとして活躍することが向いているでしょう。
ひとつの作業だけを繰り返すことは飽きてしまうので、ニか所以上の拠点を持ち、複数のプロジェクトを同時進行していくような、ダイナミックかつ、変化していく仕事に適性があります。より多くの物事と関わることによって、収入源も増えていき、経験や人脈や財産をどんどん増やしていくことができるでしょう。
射手座が求めている愛し方/愛され方は次のようなものとなります。
執筆 占星術師・小泉マーリ