アメリカの都市で
母国語を話すふたりの中国人男性
Two Chinese Men Converse In Their Native Tongue In An American City.
アメリカは多種多様な人種で構成される坩堝の国。特に大きな都市にはさまざまな人種の人たちが集まってきて、おたがいのことを理解し合うために、共通言語である英語を使ってコミュニケーションをとっていきます。
ところが、このサビアン・ワードでは、アメリカの都市にいながらも、あえて周囲の人たちと馴染まずに、同胞とだけ母国語を使って話をしている男性たちが描かれているでしょう。これは、あえてまわりの環境に溶け込まず、そのつながりを制限することによって、内側でひとつの物事を狭く深く突き詰めようとする試みかもしれません。
大勢の人たちと関わると、多様な意見に翻弄されて、その普遍性を前に個人の真実がぼんやりとしてしまうようなことが起こるでしょう。ここでは自分自身の内なる世界を守るために、周囲との関わりを閉じていく姿がクローズアップされています。
この度数を持っている人は、内なる世界観が強く、そこをひたすら探求することでまわりとは異なる独立した価値観や精神性を育てようとするかもしれません。ひとつの物事を深く見つめていくため、なにかしらの専門分野を身につけたり、あるジャンルでのオタクのようになっていったりする傾向もあるでしょう。
自身の知り得たことを大勢の人たちに理解してもらうよりも、その世界についての造詣がある人たちと交流することで、更に見識を深めようとすることもありそうです。自分自身の精神的な部分を探求して、自分なりに世界の真実をつかもうとする人もいるでしょう。