領土に近づいている妖精たちの王
The king of the fairies approaching his domain.
蠍座は自分に足りないものを外の世界に求めて、お互いに補完しあう関係によって、自分を満たしてきました。それが星座の度数の中盤から、自分の足りないものを自分の内側に見出すという、自己生殖のプロセスに突入します。
蠍座が長いあいだ、求めていたものは、精神的な絶対の確信や、どっしりとした心の安定感といったもの。それを他者とのあいだに、あるいは自分自身の内側に探し出して、ようやくそこに行き着こうとしている姿が、この妖精たちの王の姿として描かれているのかもしれません。
みずからの領土は、絶対的な支配の及ぶ安住の地です。しかし、妖精は目で見ることはできませんから、その領土はどこか現実の場所にあるのではなく、自分自身の精神の内側にあるのでしょう。
激しく求めてやまなかったそれは、みずからの心の奥底に、自分自身がさまざまな部分を統合していった時に見つかるのかもしれません。
この度数を持っている人は、自分の内側に強力に働く精神的な充足の場を持つことができるでしょう。他の誰かに頼ったり、求めたりしなくても、自分ひとりで充足できるような生き方を見出すことができそうです。それを確かめるために、あえて他者から距離を取り、ひとりで過ごす時間を確保することもあるでしょう。
精神的な物事に対する独特の理解があり、どのようにすればみずから安定するのか、その術をつかむ可能性があります。
アートやファンタジーの世界にも造詣が深いでしょう。