動物園でオランウータンと直面する子どもたち
In The Zoo, Children Are Brought Face To Face With An Orangutan.
乙女座は主観を抑えて、客観を鍛えることで自分を律してきました。自分がどう感じるのか、ということを後回しにして「どのようにふるまうべきか」ということを学びます。お手本となる教義を手に入れると、その価値観を通して世界を観察し、身のまわりのあらゆることを管理し、きっちりとした生活を送ろうとするでしょう。
このとき、管理しきれないものに関しては「扱わない」ことで秩序を守りますしかし、ここではその整えられた完璧さが破綻するようなショックが起こるでしょう。
このサビアン・ワードに描かれているのは、キチンと躾けられたお行儀の良い子どもたちと、野性味あふれるオランウータンが対面したところ。本能に忠実で主観にしたがうオランウータンは、乙女座がこれまで抑え込み、ときに排除してきた自分自身の投影であるかもしれません。決められた枠組みのなかで、同じような価値観の仲間とだけ付き合う生活はラクかもしれませんが、生命の持つダイナミズムがどんどん失われてしまいます。子どもがオランウータンと出くわすことで、本来持っている野性味を取り戻すこと……それは閉じ込めていた内なるチャイルドが外へ出てくることであり、本当の自分らしい生き方を取り戻すことにつながるでしょう。
この度数を持っている人は、人生のある時点において、これまでの生き方がくつがえるような経験をするかもしれません。それは努力してうまくやってきたはずの人生が、なぜかつまらなく、ガマンばかりになってきた頃に起こるでしょう。頑張っているのに身体を壊したり、憂鬱な気分が晴れなかったりしたときに、これまでの人生が否定されるような、しかし、それによって本当の自分を取り戻すかのような経験が起こるかもしれません。
そのときに本当の自分自身と向き合って、失われたものが戻ってくるでしょう。人生を脅かす出来事や、自分をイライラさせる人物などが、そのきっかけとなるかもしれません。