メリーと彼女の白い羊
Mary and her white lamb.
「メリーさんの羊」の歌にあるように、白い羊をメリーさんが飼っていますが、その関係はやさしく、穏やかで、愛に満ちているでしょう。メリーさんと羊は仲良しであり、決して羊を縛り付けたり、鞭で打ったりすることはありません。他者に対する厳しさや批判や警戒心があるとき、それはわたしたちが自分自身の内側に扱いかねるものを持っているのでしょう。
自分のなかにある、未知のもの、あるいは影の部分に対して「それを表に出してはいけない」「もっとこうするべき」「そんなことをしてはいけない」等、思っているとき、それはそのまま外側の世界の対人関係のなかで投影されることになるでしょう。誰かに対して厳しくするとき、それはそのまま、わたしたちが自分の内にあるなにかを否定しています。
しかし乙女座のこのサビアン・ワードにおいて、メリーさんと白い羊は非常に仲良く、親密で、信頼関係が築かれています。自分の道を極めて、本能的な部分までしっかりと受け止めることのできた人は、自分に対する否定と恐れがなくなるのでしょう。
この度数を持っている人は、とても温和で自然体。自分に対しても、まわりの人たちに対しても、いつもやさしく、素直な気持ちで接することができるでしょう。
しかしそのような境地に達するまでに、一度なにか自分で定めたことを極めた経験があるかもしれません。自然体ののびのびとした感性の背後には、何事に対しても一途にやり遂げるだけの根性が備わっています。自分の力でなにかを成し得たからこそ、自身に対する深い信頼があり、シンプルに生きることの大切さを知っているのでしょう。
子どものような素直さを発揮して生きるということは、自分の内側のすべてを受け入れた、ということであるのかもしれません。