荒ぶる情熱の神
火星は蠍座の副支配星であり、8ハウスは火星の居住地です。そのため、この配置に火星を持っていると、その特質がとても強い形で表れやすいでしょう。
8ハウスは生きるための力を象徴する部屋。ここに火星があると、生き残ろうとする能力が非常にたくましく強くなり、必要なもの、欲しいものを手に入れようとする強固な意志として発揮されるでしょう。ひとたび欲しいと感じたら、果敢にチャレンジして、決意を覆すことはなく、たとえ困難な道であろうとも一歩ずつ進んでいきます。
達成したい目的があるときは、何があってもやり遂げるため、邪魔するものが現れると、戦うか、排除するかしようとするでしょう。
この配置の火星を持つ人は、おそらく幼少~思春期のあいだに自分以外の誰かに大きな力を握られて、直接的あるいは間接的に支配されるような、自由がゆるされなかった時期を過ごした経験があるかもしれません。
そのときの抑圧された怒りや自己尊厳が、もう誰にも力を明け渡したくないという、秘められた誓いとなって、他者とぶつかり合ったときに、決して譲らないか、同じ土俵には乗らないかの、どちらかを選ばせるでしょう。
他者とひとつのものを分かち合うことを良しとせず、もしそうする必要があるときは、しっかりと権利を主張して欲しいだけをもらい、それができない場合は決裂する可能性があります。
共同事業や共有財産に関しては、どれだけが自分のものになり、どのように分配されるのか、明確にすることが大切で、そこに納得できないときは、戦う準備があるでしょう。そして世の中には分けられないものが多くあるため、ときに葛藤を感じることも、多くなりそうです。
家族やグループの内部においては、何が誰のものであるか、はっきりわかれていることで安心できるでしょう。
どんなことに対しても非常に高い集中力があり、全身全霊を傾けて取り組むので、はじめたことが得意分野となっていきます。意志の強さのほうが、身体の感覚よりも勝るため、疲れを無視することがあり、きちんと休むことが大切。
火星は情熱と葛藤をもたらすので、愛する人との関係や、自分が思いを向けた分野において、その両方を体験することになるでしょう。愛しているからこそ、相手の何もかも知りたいし、すべてが欲しい。大事なことだからこそ、すべてを手に入れて、自分のものにしたい。
その熱くて激しい感情を大切にしてください。ときに情熱そのものに振り回されて苦しくなったり、手放したくなったりするかもしれませんが、その激しさこそが誰にも屈することのない強さであり、人生を生き抜く武器となるでしょう。