前回、平成の30年の始まりのチャートを読み解いて「多様性の広がり」と「通信・運送・郵便・移動手段の変革」が、起こる時期だったという記事を書きました。
今回は、2019年5月1日より新しく始まる「令和」の時代に何が起こるのかを読み解いてみたいと思います!!
「令和」の時代のはじまりのチャート
チャート全体の方向性を示すアセンダントは、山羊座にあります。
山羊座が象徴するのは伝統や格式や慣習そして大きなビジネスと大企業です。
この山羊座を守護する土星が、冥王星と共に、アセンダントの付近にあります。
これが土星だけでしたら、全体的な保守傾向が高まり、より厳格な時代となっていく……と読むところですが、冥王星が寄り添っていることが大きなポイント。
冥王星は「変容」や「死と再生」を象徴するため、これまで続けてきた古いやり方を一掃し、基盤の解体と再編成を推し進めることになるでしょう。
日本という国が、伝統・文化・風習なども含めて、働き方や、国民の生活習慣や、雰囲気、国の対外的なイメージまでもが、これまでと様変わりする可能性があります。
山羊座は縦型のピラミッド社会、学歴社会とも関係しますから、厳格な格付けに基づいた社会形態と終身雇用が形を変えていくことになるかもしれません。
これまでの基盤がすべてなくなるわけではありませんが、本質的な部分を残して、ガラッと構造が変わることがあり得るでしょう。
平成の時代からはじまった多様化の流れが色濃く反映されて、働き方や生き方に個性の幅が広がっていきそうです。
価値の変革と多様化が予想されますね~
それを牽引するのは、2019年時点で30歳以下の平成ジェネレーション、特に1996年(平成8)以降に生まれた、天王星・海王星が水瓶座の世代において、既存の社会システムに魅力を感じず、まったく新しい独自のコミュニティを創り出して、社会と関わろうとする人たちが表れるでしょう。
2ハウスに入っている月と海王星、3ハウスの金星と水星が、それぞれ先に挙げた土星・冥王星と角度を作っていますが、これは「新しい社会的な価値が創生されること」「誰にも捕らわれない、個々が自由でいられる社会を創り出すこと」を、予感させるでしょう。
「平成の30年」は、わたしたちの日常的な伝達手段が、アナログからデジタルに変化した時代でしたが、令和の時代は「個人と世界の情報とのつながりが常態化」している状態からはじまります。
テクノロジーと共に生まれ育った世代は、いつでも自由に好きなことをして過ごしながら、それらを発信し、同時に情報や人々と常につながって暮らしています。
ひらめきやアイデアは思いついた途端に共有されて、インタラクティブに練り上げられていき、新しい形を生み出すことにつながりそうです。
スピードがカギであり、多数の魅力的なアイデアを持つ者を中心に、各地で自主的なコミュニティが作られていき、そこではオンラインとリアリティが入り混じった新しいビジネスが生まれていくかもしれません。
ビジネスモデルはますます多様化・細分化されていき、よりマイノリティなもの、そこにしかないもの、ユニークなもの、希少なものが、面白くわかりやすい形で表現されることで脚光を浴びるでしょう。
それらは単に新しく奇抜であれば良いわけではなく、2ハウスの魚座が象徴しているような「人々の深い共感を呼び起こすもの」「フラストレーションや欲求を代行するもの」「人間や自然の本質に触れるもの」が求められます。
新しいアイデアやビジネスモデルをどのように表現し、どういう形態で見せるのか、ということが成否の重要なファクターとなるでしょう。
5ハウスに入っている火星(表現力)と、11ハウスの木星(発展)が、2ハウスと月と海王星(経済的成功)と絡んでいるところより推測しています。
良いコンテンツを持っていたとしても、わかりにくく、伝わりにくければ、うまくいきません。ビジネスやインバウンドの明暗はここではっきりとわかれそうです。
日本は古来「言挙げせぬ国」であり、多くを語らず、自己主張せず、言霊を大切にし、空気を読みながらお互いを察し合う国民性を持っていました。
しかしオンラインが常態化されると、わかりやすく表現することが求められるでしょう。
だけれども、決してそこで「察する」の文化がなくなるわけでもありません。
どれだけその背景にある思いを込めて、表現することができるのか……。
なぜ、それを表現するために、その言葉を選んだのか、という「概念を自身の言葉で言語化すること」が、情報があふれ返り、瞬時に流れていく時世の第二のカギとなるでしょう。
そのためには、かつて平安の歌人たちが競って、己が心を歌に託したように、自身の心をひらいて、そこにある思いを取り出し、しっかりと自分の言葉で語ることが求められます。
どこかで聞いたことがあるような、読んだことのあるようなものは、流されてしまいますが、内側にある本心から出た「まことの言葉」は、人の心を打つでしょう。
それが新しい時代の成否を握っているように感じられます。
もうすでにそうであるように、これからはますます影響力を持つ個人に、仲間と力と信用が集まっていくでしょう。
それは、自身の心を率直に偽りなく、情熱的に自分の言葉で語る個人です。
どれだけわかりやすく、しかも自分の言葉で語るか……創造のコツは遊び心ですね
平成の30年と同じように、今回のチャートでも、3ハウスに多くの星が入っています。
3ハウスが象徴するのは、わたしたちの日常生活。日常を成り立たせるためのあらゆる活動や、伝達や通信の手段・運送・郵便・移動手段などを示します。
そこに牡牛座の太陽と共にテクノロジーを示す天王星があることで、日常生活におけるAI化、自動化が進み、更なる劇的な進化が予想されるでしょう。
3ハウスは伝達の手段を示しますが、現在でも有能な翻訳機が多く出回っていて、インバウンドの観光客たちのあいだで使われているシーンをよく目撃します。
これがあと10年もすると、かなり実用的な同時通訳機ができるそうです。文字の入力も必要なく、話すと同時に相手に伝わり、相手の言うことも瞬時に伝わる……という、まさにドラえもんの便利道具のごとく。
日本人の大きな壁である「英会話」を超えて、世界中の人たちとコミュニケーションがとれる世界が広がるのかもしれません。
コミュニケーションの壁がなくなるのは「語学」だけではなく、さまざまな障がいによって、意志の疎通のとりにくい人たちとの間でも、テクノロジーの助けによって交流が活発になるかもしれません。
手話を音声とテキストに変えるグローブは、聴覚障がい方と健常者のあいだの「手話」を通訳してくれるでしょう。
3ハウスが示す移動手段においては、2027年に東京-名古屋間のリニア開通が予定されています。
2025年頃までに、各自動車メーカーが一般道で走行可能な自動運転の自動車の開発する予定ですね。
また「五体不満足」で有名な乙武洋匡さんが義足プロジェクトにチャレンジされていますが、こういったテクノロジーを活かした最先端の技術は、いま必要とされているところから、どんどん開発されていくことになるでしょう。
日々の生活様式が日進月歩で変化していくような雰囲気です。
2024年頃に紙幣が刷新される予定が発表されましたが、貨幣経済においてフィンテックの影響が広がっていき、なかなか日本では普及が行き届かない電子マネーも、政府が重い腰をあげてキャッシュレス化に舵を切り始めたため、この新しい時代の間には広がっていくかもしれません。
日本はATM手数料が銀行の売上の一部を担っているため、なかなかキャッシュレス化に踏み切れないようですが、長期的な視野からみた合理化の波にのって、変化していく可能性があるでしょう。
昨年末に福岡で無人スーパーがオープンしましたが、自動決済できるコンビニ、無人の駅売店などが、次々と導入が予定されています。
スーパーのセルフレジや、飲食店のタッチパネルによる注文などは、かなりお馴染みになってきましたが、夜間は無人営業となるアパレル店舗なども始まり、この流れはますます広がるでしょう。
アメリカではすべてロボットが調理するハンバーガーショップがオープンし、無人コンビニ「amazon go」や、中国の「Bingo box」も、成功しています。
これらに類似したサービスが日本でも始まるかもしれません。
参考
日本が現金払い主義からまるで脱せない理由
スーパーにコンビニも…広がる”無人化”
渋谷のホテル併設型旗艦店にスマートレジ導入へ、夜間は無人営業
世界初の〈ロボット・バーガーショップ〉開店。
かつて手塚治虫の描いた未来の世界がやってきそうで楽しみです
これからの社会で活躍するにはマニアックな技術や知識や視点が求められることとなり「どこに所属しているのか」よりも「どれだけユニークな個人であるのか」が重要な時代となりそうです。
ボーッと生きていたら、チコちゃんに叱られそうな新時代。
瞬きをしている間に世界が移り変わり、望んでいなかったとしても、働き方や暮らし方を変えざるを得なくなるでしょう。
うまく波に乗っていくコツは、賢く生きているデジタル・ネイティブな世代に学ぶことかもしれません。
執筆 占星術師・小泉マーリ