占星術のホロスコープ・チャートは「12星座」「10惑星」「アスペクト」「12ハウス」という四つの要素で構成されています。
今回から12回シリーズで「12星座」を1星座ずつ、詳しく掘り下げていきたいと思います。
今回ご紹介するのは「牡羊座」
エレメント:火
クオリティ:活動
守護惑星:火星
キーワード:アイアム
牡羊座のテーマはズバリ「世界のあらゆることを体験しながら、なんでもできる自分になること」です!!
牡羊座は12星座の一番バッター。新しいサイクルをスタートさせていきますが、まだ何の経験もないまっさらな状態です。この新しいサイクルは、どこへ向かっていくのか、まだ定まっておらず、しかしそれを始めるだけのエネルギーは充分に満ちているでしょう。これから自分自身を探す旅が始まります。
何も前提のないところから始まる星座のため「これをしたら、こうなるはず」と推測することは得意ではないでしょう。それに実際にうまくいくかどうか、ということよりも「やってみること」「新しい経験を積むこと」のほうが牡羊座にとっては、はるかに重要です。
「これをしたい!!」と思ったら、即座に行動を起こしますが、それがすぐに実現できないのなら、その意志は続かずに変わっていくでしょう。牡羊座にとって大切なことは、その瞬間瞬間のひらめきにしたがって、意志を貫いていくこと。「いま、このときに求めているもの」こそが、いまの自分にとっての真実であり、それは時間をおくことで変化していきます。
何事も長期的な視野で取り組むよりも、短期間に集中して一気に成し遂げることに適性があります。まさに短距離を得意とする肉食獣タイプ。瞬発的に発揮するエネルギー値は非常に高く、短時間で、それをある程度続けている人と同等のレベルにまで引き上げることができるでしょう。
欲求はまだ見果てぬ未知の物事を体験することに向けられ、そこには「なぜするのか」「したらどうなるのか」といった道理や実用性は必要ありません。むしろそれを考え始めると、本当にそれがしたいのか、どうか不明瞭になってしまうため、あまり考えすぎず、シンプルに直観にしたがったほうが人生がうまく進みます。効率性を考える必要もなく、慎重さは経験を遠ざけることになるでしょう。あくまで「経験を積むこと」が最優先であり、経験が積まれることで、それらは洗練されていきます。
抽象概念を扱う才能があり、現実的な結果よりも、抽象的な物事のなかにこそ、自分のニーズや願望を見出すことがあるでしょう。それをすることでお金や成果が上がることよりも、自身の意識がどのように成熟するのかの方が、時に重要かもしれません。そこには手ごたえとしての確信がないため、時に不安を覚えることもありますが、それでも自分を信じて不確定な道を進んでいくことができます。そういった面から数学や哲学といった形而上的なことが得意な人も出現しますし、世界で新しいムーブメントが起こったときに、いち早くそれを察して、人に先駆けてその道を率先して進んでいくような人も現れるでしょう。
牡羊座が求めているのは、自分自身をより強くするための経験です。経験を積むことで強く、賢くなって「望んでいる物事」を速やかに実行するだけの力を得ることが大切です。いつでも「これがしたい」と思ったら、自由かつ速やかに実現させる力。「望んでいる物事を成し遂げることのできる自分になる」という欲求が、牡羊座の生き方を自由で力強く、そして個性的なものへと成長させることになるでしょう。
世間の常識や「こうするのが正しい」といった雛形に従う必要はありません。直観を頼りに「したい」と思ったことはどんなものでも積極的にチャレンジして、成功しようと失敗しようと、それを周りからどのように思われようと、気にしないで自分の道を貫くことが大切です。結果として「世間の人並みの暮らし」とは、まったく異なる生活スタイルや仕事のやり方、関係性を創り出すこともあるでしょう。大事なことは、それが「自分らしい」かどうか「自分にフィットするか」どうか、です。
何事もひとりですることができるし、また好みもするため、他者と関わらずに生きることもできます。しかし本当の強さを引き出し、磨きをかけるためには、社会の中で他者からの要求に応えていくことも必要でしょう。リーダーシップを発揮したり、時に競合したり、他者の存在は自分を引き出し、大きく育ててくれます。
座右の銘は即断即決、即行動。情熱があり、何事も思うまま、感じるままに、率直に選び取り、表現するでしょう。それは自分に対して偽りのない正直さであり、ごまかしたり、嘘をついたりすることのない姿。自分の真ん中にある意志を貫くことで輝きます。そのため時には他者と激しく対立することも起こるでしょう。意志を曲げたくない思いから、強引に他者を圧倒することもあるかもしれません。しかし、ぶつかりながらも、時にはエゴを抑えるということも覚える必要があるでしょう。
世界のあらゆるものを見て、味わい、触れて、体験することで、理解し、力がつき、賢くなって、力強く成長していきます。さまざまな体験をしながら「自分が何者であるのか」を知り、世界で唯一人のユニークで個性的な『自分自身』になっていくでしょう。
牡羊座は12星座の最初の星座であり、まだ何も経験のないところからスタートして「なんでもできるユニークな自分になること」を目指していくサインです。
そのため、次のような成長段階を経て、成熟していきます。
最終的に牡羊座は自分自身が力の持ったユニークな個人として確立されると同時に、まわりの人たちもそのようになって、みんながそれぞれ自分でいながら、共生する世界を目指していくことになるでしょう。
牡羊座が秘めている才能には、次のようなものがあります。
これらの能力を使いこなすことで、みずからを成長させられるでしょう。
牡羊座がポジティブ/ネガティブとなる事由には、次のようなものがあります。
情熱的で高いエネルギーを秘めている牡羊座は、仕事に意義を見出すことで、やりがいと大きな成果を生み出すことができます。
そのためには自分が夢中になれるものを、その時々で選ぶことが大事。なかなかうまくできないあいだ、つまりチャレンジャーである内は闘志が燃えても、仕事に慣れてマンネリ化してしまうと惰性的になってしまうことがあるでしょう。何かしらの形でいつも「新しさ」があると、うまくいくかもしれません。なかなか成果の見えない長期の目標で動くよりも、短期の目標で一気に成果をあげるほうがやりがいを感じやすいでしょう。
新しい物事を切り拓く力があるため、これから始まろうとしている物事と関わるとうまくいきます。ビジネスのスタートアップに関わるのも良いですし、時代の先端をいくような分野にも適性があります。
誰かの下で働くよりも、自分が自由に動いて、決断できる環境の方が適しているでしょう。自分だけのビジネスの形を創り出して、他とは異なるオンリーワンの存在をめざすのも良さそうです。
「これだけの金額を稼ぐ!!」と決意をすれば、高い意欲で実際にそれを手にすることができるでしょう。意識と実益が連動するので、野心を抱くほど、収入を増やすことができます。
しかし貯めることよりも、体験することに重きをおいているため、稼いだら、その分だけ新しいものに投資したり、使ったりすることになりそうです。
牡羊座が求めている愛し方/愛され方は次のようなものとなります。
執筆 占星術師・小泉マーリ