【人間関係のなかで、精神的な安心感を得ること】が、蟹座の土星を持つ人の人生を通してのテーマといえそうです。
そのためには、なにはさておき【自分は愛されている】と心の底から思うことが、なによりも必要といえるでしょう。
トラブルやアクシデントがあったときに、頼りになる家族や仲間と、安心できる家があることも大切です。
蟹座の土星を持つ人は、子ども時代に家族との関係において、なんらかの抑圧が起こり、自分の素直な本心や感情をたびたび隠すようになる場合があります。
もし、ありのままの気持ちや感情を表現したら、人から拒否されるかもしれない…という恐れから、人前で感情を表すことができません。
『受け容れてもらえないかもしれない』という思いこみから、心のどこかで家族や仲間を信用しきれないこともあるでしょう。
本当はとてもつらくて、困っているのに、助けを求めることができない。
本音を見せたら、大好きな人から見捨てられるかもしれない。
そんな不安な感情が、心の底に沈んでいるかもしれません。
蟹座の土星を持つ人にとって、なによりも大切なことは『自分がなにをしていても、何者であったとしても、愛され、支えられ、守られる』ということを心から理解して、信じることです。
【自分が愛されていること】に疑いがあるあいだは、心の不安定さが他者への不信という形をとって現れるかもしれません。
たとえば、相手に甘えて依存していたかと思いきや、否定されるかもと感じた瞬間に、手のひらを返したように、心を閉じることがあるでしょう。
あるいは、日常生活で関わる人たちに対して、必要以上に心をひらかず、本心や感情を隠してつきあうこともありそうです。
また、愛情や共感や思いやりが必要なときでも、『自分は平気』といった風に、ついクールを装ってしまうこともあるでしょう。
いずれにしても、それらは『自分の本音を無視する行為』です。
そして、それは自分のハートやインナーチャイルドをみずからの手で傷つけ、放置することに等しいでしょう。
そういったことをくり返すたびに、心の不安定さが募り『自分はどこにも、誰にも帰属していない』と感じるようになるかもしれません。
あるいは、世界は敵意に満ちていて、自分はそのなかの孤立した存在で、ひとりなのだと感じるかもしれません。
孤独が渦巻いてなお、そんな自分を感じないように無視して、他者に心を閉ざしていると、ますますハートがかたくなに固まってしまうでしょう。
もし、幼少期に家族たちから充分に愛されて、守られていると感じられたなら、そういったことは起こらないかもしれません。
でも、心になんらかの抑圧があって、なかなか人を信用できない、心をひらくことがむずかしいと感じているとしても、自分の感情を受け容れることはできるでしょう。
蟹座は【聴覚】を司り、それは音と周波数に含まれる感情をとらえる力です。
【聴覚】は外側の音を聴くことと同時に、自分の心の声をキャッチするでしょう。
いつ、どのようなときに自分はどう感じるのか……。
いま、自分は悲しいのか、怒っているのか。
落ちこんでいるのか、不安なのか。
喜んでいるのか、わくわくしているのか。
どんなときに感情が揺さぶられ、どんなときに波立つのか、ハートに耳を傾けることで、自分の本心をキャッチすることができるでしょう。
そして、それがどのような感情であったとしても、理解して、受け止めることで、すこしずつ自分をコントロールできるようになっていきます。
蟹座の土星を持つ人は、その内側に、とても繊細な感受性のアンテナを持っていて、感情はその時々で山の天気のように変化するでしょう。
時に荒波のようであり、時に雷雨となり、時に台風を巻き起こして『こんな感情に振り回されるのは、もうたくさん』と、自分にうんざりすることも少なくありません。
だけれども、それが本来の自然な感情のはたらきです。
ハートは外側で起こっていることを繊細にキャッチして、それが些細なことであったとしても、大きな波紋をその内側に起こすのです。
そんな自分のありとあらゆる感情を無視せずに、受け容れることで、自分自身と、そして他者との信頼が育まれていきます。
わたしは、ありのままのわたしで大丈夫。
どんな感情が出てきても、わたしは決してわたしを無視しない。
自己受容が高まるにつれて、誰といようとも、その関係のなかにくつろぎを見出すことができるようになるでしょう。
相手を受け容れて、甘え、支えられ、愛に満ちた安定した関係を創り出せるようになります。
蟹座のキーワードは【I feel・わたしは感じる】
繊細で激しい感情の底に、愛が満ちています。
わたしは愛し、そして愛される。
そこにある不変の愛に絶対の信頼をおくことで、安定した関係を育んでいくことが、蟹座の土星を持つ人の人生のテーマといえるでしょう。