地上に愛をもたらす戦士
12ハウスという繊細な部屋に火星が位置すると、本来の火星の機能である『意志を強く主張して、自身の道を切り拓くこと』が、難しい状況が増えやすいでしょう。
それは幼少~思春期に思いを汲んで、励ましてくれる人がそばにいなかったからかもしれないし、両親のどちらかが主張せずに耐え忍ぶことを選ぶタイプだったからかもしれません。
いずれにせよ、この配置の火星を持つと、強く自分を押し通すよりも、他者の思いを優先して、譲ってしまうことの方が多くなる傾向にあります。
そうしておきながら、いつも心のどこかで報われない思いを抱えたり、その原因が自分にあるのだと自分を責めたりして、疲れを感じることがあるかもしれません。
また、たびたび周囲に強く主張を押し通す人や、いつでも怒っている人、意志を通して他者をコントロールしようとする人が出現することがあるでしょう。
あるいは自分は相手を慮ったつもりなのに、濡れ衣を着せられたり、誤解されたりして、怒られ、責められることもあるかもしれません。
この『隠れた敵』を象徴する配置は、あなたが自分の火星を自覚して、自身を守るため、あるいは欲しいものを欲しいとしっかりと主張するために機能するまで続きます。外の世界に現れる厄介な人物は、あなたが隠して生きていない火星の投影なのです。
面倒な事件や厄介な人物から身を守るコツは、自身の火星をしっかりと自覚して使うことだといえるでしょう。
あなたはもっと自分を守ってもいいし、誤解されたときははっきりと意見を言ってもいいのです。
本当に思っていることを面と向かって言わずに隠したり、面倒だからと相手を避けたりすると、余計に外の世界に投影された『火星的な人物』が、激しくあなたを攻め立ててくるでしょう。
自分の中にある恐れを超えて、世界に対して自分の心に正直に「ノー」と言ったときに、あなたの内にある本当の強さが目覚めます。
この配置の火星を持つ人は決して弱いわけではなく、誰よりも強靱な忍耐力と集中力を持っています。そのため時間をかけて集中する必要のある、難しいスキルを使いこなすことができるでしょう。
誰の手も借りずにひとりで地道な作業をコツコツと研鑽を積みながら続けていき、丁寧な優れた技術を身につけることができます。
いままでなかったものを創り出したり、誰かの役に立って喜ばれたりすることを好むため、苦労を厭わず、誠心誠意の活動をして、多くの人たちに愛を捧げて、彼らの励みとなることができるでしょう。
心を隠して小さくなるのではなく、自分なりの喜びに向けて力を放つことができれば、とても大きくて尊い愛が、大勢の人たちの心に希望を与えることになるはずです。