2019年の4月30日から5月1日にかけては、日本国民にとって、新たな歴史が刻まれる特別な瞬間となりました。
平成の時代が終わり、令和の時代の始まっていくとき……。
新しく天皇が御即位されて元号が変わると、国の雰囲気や流れもまた変わっていきます。
前回は令和の時代が始まる瞬間のチャートから、どんな時代になっていくのか……ということを読んでみました。
今回は畏れ多くも、ごく簡単に令和の時代を導いてくださる、わたしたちの新しい天皇陛下のチャートを読ませていただこうと思います!!
陛下がお生まれになったのは1960年2月23日16:15。
今上陛下のチャート
お生まれになった瞬間の、東の地平線から獅子座が上昇しつつあって、そこには天王星が輝いておりました。
獅子座は王者の星座であると同時に、太陽を守護星として内なる光と情熱をみずから体現してみせる星座。
特に陛下の上昇宮が位置する獅子座の19度は「いつ、いかなる時も地上に太陽のパワーをもたらすことのできる資質」が現れる度数です。
上昇宮というのは、生まれた時に東の地平線に位置していた星座を示し、ここに個人が世界に対して自分をどのように表現するのか、ということが現れます
このパワーは、チャート上の太陽を通して顕現されますが、太陽が位置するのは7ハウスの魚座3度。
魚座というのは、個人の欲求を超えたところに歓びを見出し、全体のために力を尽くす星座です。
そのための手法は祈りであり、見えないけれど、確実に存在している霊的なものに対して、愛と光とが顕現されるようにと働きかけることができるでしょう。
それはまさに、国家と国民のために、祈りを捧げ続けている陛下そのもののお姿といえそうです。
ご存知の方も多いと思いますが陛下の日々のお仕事は多岐にわたっています。
首相の任命、国会の召集、大使の認証、栄典授与などの国事行為。
外国訪問、地方訪問、一般参賀、園遊会、賓客接待、宮中晩餐などの公的行為。
さらに宮中祭祀、伝統の継承、自然の研究などの私的行為とがあります。
わたしたちがニュースなどで見かけることが多いのは、国事行為や公的行為のご様子です。
陛下は1年で1,000枚ほどの上奏書類を裁可されますが、そのすべてに目を通されます。そして必要なものに御璽(公印)をされるのですが、この御璽は3.5kgもあるそうです…!!
現在では私的行為とされる宮中祭祀。
皇居の宮中三殿において日供の儀(毎朝の祭祀)があり、1・11・21日の旬祭があり、さらに掌典長が斎行し、陛下がご参拝される小祭と、陛下が御自ら斎行される大祭とが合わせて年間25回ほどあります。
この祈りの行為は対象が、国家と国民であるため、日本国憲法以前の天皇にとっては第一の公務でした。
現在は私的行為として継承されていますが、国の中心で国体と国民の安寧が日々、祈られ続けていることで、わたしたちの日々は守られています。
魚座は全体がひとつになるために祈り、そこに積もった穢れを祓い清めて、次なる流れに受け渡していく星座。
これが7ハウスにあるということは、自分自身のためではなく、求められる人々のためにそれを行うといえるでしょう。
魚座の4度は価値や伝統の保存と関係する度数です。
そもそも魚座という星座が「価値の保存」と関係しているのですが、最後の星座である魚座は、新しい牡羊座へいく前に、残すものと終わらせるものとを選ぶ、という役割があります。
親が子に何を残したいのか、今の時代を生きるわたしたちが次世代に何を残したいのか、ということも、ここと関係するでしょう。
日本の歴史と伝統を、みずからの光と情熱で祈りを通して体現されて、しっかりと形として示すことで、次世代に引き継いでいく……陛下の太陽はそのようなことをお示しになられているのかもしれません。
陛下のお生まれになった時の月は山羊座にあり、土星とぴったりと重なっています。
占星術の月というのは「太陽の光で受け取って輝く」という意味において、太陽の器であり、ここでは「みずからの光を祈りとして国家に捧げる」というものを月を通して実現させるともいえます。
山羊座の月は「伝統の器」を示しているかもしれません。
料理を盛り付ける食器が色々とあって、モダンなデザインや外国製のもの、軽くて丈夫なものなどがあるとしたら「先祖代々の家宝の器」というイメージでしょうか。
特に山羊座の月は身近にいた、最も権威的な人物の型を踏襲します。
皇太子の時代から先の陛下のお仕事を最も身近でご覧になられていた陛下は、充分にその型を内側にお持ちでいらっしゃることでしょう。
あふれる光を、伝統の形で顕現し、地上に愛を実現させる……そのようなお姿が連想させられます。
陛下の御即位の時機は、ちょうど陛下の5度目の木星回帰と、2度目の土星回帰とがぴったりと重なるタイミングです。
これ以上なく能力が最大にひらかれる時期に、新しい時代の旅を始められるのでしょう。
上皇となられる先の陛下は1933年12月23日のお生まれで、太陽が山羊座、月が魚座でいらっしゃいます。
上皇陛下のチャート
今上陛下とは太陽と月とが反転する形で「伝統」と「祈り」を継承されることになります。
木星と天王星の180度をお持ちでいらっしゃる上皇陛下は、伝統を引き継ぎながらも、新しい在り方を常に模索されていらっしゃいました。
例えば公用車の座席を、昭和天皇の車より20cm低いものを選んで目線を沿道の国民と合わせることを実践されました。
各地をご訪問されて国民とお会いになる時も、同じ目線の高さに座りこまれて、しっかりとご交流される姿が印象に残っている人も多いでしょう。
月が魚座でいらっしゃるため、伝統や格式という光が「愛や、やさしさや、思いやり」という器で表現されていたのかもしれません。
そのようなお姿に上皇陛下に親しみを持って、ファンのような心理を抱いている人も多いのではないでしょうか~!? わたしもそのひとりです!!
そんな陛下はご退位の儀の際に最後のおことばを「わが国と世界の人々の安寧と幸せを祈ります」で締めくくられていらっしゃいました。
新しい令和の時代が、ますます大きな愛と光に包まれて、いつまでも平和で美しくありますように。
天皇弥栄!!
執筆 占星術師・小泉マーリ